『酢で胃ろうカテーテルがきれいになります。』 第10回介護医療型医療施設全国研究会

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『酢で胃ろうカテーテルがきれいになります。』 第10回介護医療型医療施設全国研究会

2002.09.24

酢による胃ろうカテーテル汚染の対策と効果
~酢を常温と50℃にした比較検討~

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富山県医療法人紫蘭会 光ヶ丘病院
1N病棟看護師 ○悟道 晴津子
釣 雅美 安田 嫩
婦長 中島 房代

<目的>

胃瘻カテーテルの交換指標は造設用シリコンカテーテルで3~6ヶ月、交換用シリコンカテーテルで1ヶ月とされています。しかし長時間の使用によりカテーテルの内腔が栄養剤や薬の残渣物で汚染され、場合によっては交換期以前に閉塞、損傷を来たし交換を必要とするケースもあります。そこで、カテーテルの汚染対策として、加藤らが報告した酢の殺菌効果を利用した洗浄法を試み追従検討しました。

<方法>

研究期間:平成12年12月~14年5月

対象患者:胃瘻患者様18名

比較項目:ミツカン穀物酢を酢酸濃度が約1%になるように4倍に希釈したものを常温にて平成12年12月~平成13年9月まで使用し、またこの4倍穀物酢を50℃で平成13年10月~平成14年5月まで使用し、比較検討しました。

投薬方法:栄養剤、薬、白湯を投薬後イルリガートルを洗剤で洗い、その後、酢を20ml投与、胃瘻カテーテルの先端まで酢を満たした状態で約3時間クランプしました。

検討項目

① 職員のアンケートによる見た目の評価

②培養結果によるカテーテル内腔の汚染状況

③ 患者様の身体的変化と訴え

④胃瘻カテーテルの変化

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①必要物品 ②酢酸濃度約1%と なるよう白湯で4倍に希釈しています
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③温度計で酢の温度を確認しています
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⑤酢をポットに入れて保温します ⑥酢を20ml量っています
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⑦イルリガードル洗浄後酢を20ml入れます ⑧胃瘻カテーテル先端まで酢を満たしクランプします
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⑨酢の停滞中はプラカードを掲示します ⑩経管栄養開始前に白湯20mlを注入します(酢による経管栄養剤凝固予防のため)

<結果>

①酢を常温と50℃で比較した職員アンケート

アンケート結果1<酢を使用した効果について>酢を50℃にした方が「少しきれいになった」または「きれいになった」と答えたものが増加し、全体の96%を占めています。

 アンケート結果2<今後も継続したほうが良いか>常温、50℃とも酢の使用を「継続した方がよい」と70%以上の者が答えています。

 アンケート結果3<良かった点>50℃の酢の方が「カテーテルがきれいになった」が53%から72%に増加、「閉塞が少なくなった」と答えた者が10%から21%に増加しています。

 アンケート結果4<悪かった点>「酢の匂いが気になる」が常温63%から50℃13%に減少、「手間がかかる」が常温3%から50℃30%に増加しています。

 以上、「手間がかかる」は増加しましたが、常温より50℃の酢の方が「きれいになった」「継続した方が良い」との支持を得ています。

②カテーテルの培養結果はA例では菌数の減少があり、B例では減少は認めませんでしたが、C例では50℃の酢使用後全て陰性という結果を得ました。

③患者様の身体的変化と訴えにおいて下痢、嘔吐、スキントラブル等は見られませんでした。また、酢を50℃にしても大きな変化は見られませんでした。

④胃ろうカテーテルの変化は、酢を使用せず3ヶ月以上経過したカテーテルは流動食色に染まりその先端は縮れていましたが、酢を使用したカテーテルは、常温酢より50℃の酢の方に材質変化が少ないことがわかりました。また薬剤や栄養剤によるカテーテルの閉塞や材質変化による自然抜去は見られませんでした。

<考察>

 食酢はpH2.0~3.0と強い酸性を示す食品です。微生物の多くはpH5.0~9.0範囲に最適pHを持っており微生物にとって食酢は住みにくい環境であると考えられます。胃瘻は経口摂取出来ない患者様の「第二の口」と言われており、言わば胃瘻カテーテルは経口摂取者の「食器」と考えられます。そのカテーテル洗浄法として以前よりフラッシュ法が行われていましたが留置が長期に及んだ場合、内腔の汚れは解消されませんでした。そのため、カテーテルの閉塞や材質変化も多く、自然抜去も散見されました。現在使用しているガストロストミーチューブの交換目安は通常1ヶ月ですが食酢を使用後、約3ヶ月まで耐久期間を延長することができました。また50℃の酢を使用したことによって、さらに菌やカテーテルの材質劣化が減少したことは、50℃の酢による洗浄法の効果と考えられます。

<結論>

今回、検討した穀物酢の50℃の酢による洗浄法は、カテーテル内腔の閉塞や材質変化における自然抜去の発生を軽減する目的において有効であると考えられました。今後、カテーテルの殺菌効果を高めるため酢の停滞時間の拡大を考慮していきたいと思います。

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