『ギャッチアップにおける2時間以上の体位変換の検討』 日本褥瘡学会誌Vo5 No.2

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『ギャッチアップにおける2時間以上の体位変換の検討』 日本褥瘡学会誌Vo5 No.2

2003.09.01

ギャッチアップ以上の体位変換―光ケ丘病院 1Nにおける2時間の検討
目的
褥瘡発生予防において2時間おきの体位変換は必須とされている。しかし、その体位変換が、患者の安眠障害の原因になり、夜勤者のマンパワー不足もあり、必ずしも安易に実行出来ない。また、ギャッチアップ時のずれの予防として足上げギャッチアップと30度ギャッチアップの体位変換が下肢拘縮患者においてずれの原因となり、また足上げギャッチアップによりかえって下肢拘縮が進むことにもなりかねない。そこで、エアーマット使用患者に対しギャッチアップ時の2時間以上の体位変換を行い、褥瘡発生の危険につき検討した。
対象
ブレーデンスケールが14点以下の患者16名である。全症例が自力体位変換不可能で、何らかの危険因子(病的骨突出、関節拘縮、栄養不良、皮膚湿潤、浮腫)を有していた。
方法
全症例に体圧分散寝具として、二層式エアーマット(トライセル)を使用。ギャッチアップ時の角度を10度、20度、30度とした。また、それぞれの角度において足上げの有無のずれについて検討した。(モルテン社、プレディア使用)体位変換時間は同一体位で、2時間後、4時間後、5時間後の骨突出部の皮膚を観察し発赤の有無を観認した。なお、発赤が確認された場合は、その時点で同一体位は中止した。また、マルチパット型簡易体圧測定器(ケープ社、Cello)を使用し、各時間に体圧測定を実施した。体圧測定部位は、仙骨部、側臥位では、大転子とした。
結果
皮膚非発赤例症例が60%以上を示したのはギャッチアップ角度が0度、10度で4時間まで、20度で2時間まで、30度では2時間以下であった。

考察
同一体位2時間以上可能なのは、仰臥位ではジャッチアップ角度10度まで、左右側臥位では20度までと考えられた。同一体位2時間で皮膚発赤を認めた症例は、非発赤症例と比べ病的骨突出と関節拘縮が強度であった。
結語
同一体位2時間以上のギャッチアップは危険と考えられた。
体圧が褥瘡発生危険値(40mmHg以下)であっても発赤を認めた症例より、病的骨突出と関節拘縮が強度の場合は、肉眼的発赤の観察が褥瘡発生予防に重要と思われた。

 

 

 

 

16例の下肢挙上有無でのズレ比較
(5N以上をズレ有りとした。)


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目的
経管栄養投与、呼吸器疾患患者では頭位挙上(ギャチアップ)は必須である。しかし褥瘡発生予防のためには、どの程度の角度、時間までなら可能なのか明確にされていない。そこで、ギャチアップ角度と、経時的な体圧と皮膚発赤の変化を調べ検討した。

対象
療養型医療施設に入院し、要介護4以上、ブレーデンスケールが14点以下の患者16名。全例自立度C2で、何らかの危険因子、病的骨突出・関節拘縮・栄養状態の低下(血清ALB3.0g/dl未満、Hb11.0g/dl未満)・皮膚湿潤・浮腫を有していた。


仰臥位におけるギャチアップ角度と経時的体圧変化
皮膚非発赤症例の割合(全16例中)

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右下側臥位におけるギャチアップ角度と経時的体圧変化皮膚非発赤症例の割合(全16例中)

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左下側臥位におけるギャチアップ角度と経時的体圧変化皮膚非発赤症例の割合(全16例中)

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同一体位2時間後に皮膚発赤を認めた症例

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同一体位2時間後の皮膚発赤群(7例)と非発赤群(9例)の危険因子の比較

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