巻頭言 ほほえみ第58号(平成23年12月号)

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巻頭言 ほほえみ第58号(平成23年12月号)

2011.11.11

 10月に日本慢性期医療協会認定病院の実地審査があり、3人のサーベイヤーの方と「慢性期医療の臨床指標」に基づいて直接話し合う機会がありました。褥瘡の治癒率や尿道カテーテルの抜去率など、例数が少なすぎて指標に適さない項目もありますが、質疑討論する中で、質の高い医療ケアを提供したいという熱い思いが湧き出たように思えました。現在27病院ある認定病院の仲間入りを早くしたいものです。

 

 11月の日慢協セミナーで小山教授が、特養から、認知症や寝たきり患者の扱いに不慣れな救急基幹病院に安易に送るのは愚であり、療養病床こそ特養と連携すべきだと言われましたが、当院は地域で唯一の一般病棟を有する慢性期医療主体の病院であり、いつでも肺炎や脱水などを起こした高齢者や障害者を受け入れることができます。特養などの介護施設と今以上に親密な連携と図るとともに、在宅医療を行っておられる開業医の先生方とも顔の見える良好な関係を築き、在宅療養支援診療所を支援する病院として、一定レベル以上の医療看護介護技術を有する病院であるよう、常に質の向上に研鑽努力しなければなりません。

 

今年、県の看護職員育成モデル事業に民間病院で初めて当院が指名されました。委員の先生方の厳しい評価や意見を参考に看護部長以下、奮闘中ですが、来年度には当院の特徴やワークライフバランスを加味したユニークな報告書ができ、充実した看護教育体制が実践されていることを期待しています。

 

9月からレントゲン撮影はフイルムレスに全面移行しましたが、好きな時に読影でき、患者さんや家族にも説明しやすくなりました。次の段階であるオーダリングシステムやイントラネットについては、もう少し時間がかかりそうです。現在、30年振りに病院の厨房を全面改装中で、ご迷惑をおかけしていますが、12月に新しい厨房が完成します。

 

来春に診療報酬・介護報酬の同時改正がありますが、在宅と連携の方向に急傾斜した改正が見込まれています。当法人で行っている医療系および福祉系ショートステイや訪問看護や訪問リハビリや通所リハビリなどの在宅部門や地域連携室を一層充実させるのは当然です。前回は救急を行う大病院に大部分の予算が投入されましたが、良質な慢性期医療がなければ日本の医療は成り立たないのも事実です。質の高い慢性期医療を実践している病院や入所者全員にリハビリを行うことができるリハビリ職員がいる老健には評価をしていただきたいと願っています。障害があっても高齢になっても、地域で安心して暮らすことができる「地域包括ケア」が絵に描いた餅で終わらぬよう、地域格差を考慮した将来を見据えた施策が求められます。今の政治にはあまり期待できないとはいえ、注意深く見守っていくつもりです。

 

紫蘭会 理事長  笠島 學

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