特別寄稿 ほほえみ第42号(2005年2月号)掲載

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特別寄稿 ほほえみ第42号(2005年2月号)掲載

2005.02.01

『紫蘭会の出自考』

慶應義塾大学名誉教授 川田志明

 

 敬愛する笠島學先生が主宰する医療法人紫蘭会の会報である「ほほえみ」第41号を落手し、全誌面を楽しく拝読しました。學先生とは慶應義塾大学医学部外科の同窓で、その後に研鑽を積まれた平塚市民病院でも一般・消化器外科と心臓血管外科の違いはありましたが一緒に過ごし、その後は郷里の高岡で新しい理念に基づいた医療を展開されていることを度々耳にし、高岡で高校時代を過ごした小生にとっては強く興味を引かれるものでした。

 

 今回の巻頭言でも記録的な猛暑を避けてバリアフリーの広いスペースに総勢三百人もが集って交流を深められたことや、パワーリハビリ装置の導入や車椅子式機械浴の増設などを計り、人間愛に満ちた全人的ケアを主眼にした施設として成長していることに声高らかに賛辞を贈りたく思います。

 

 さて、法人の名称である紫蘭会の出自については立派な来歴があるとは思いますが、蘭の花を愛するものの一人として私なりに考えてみました。紫蘭は、花屋に並ぶ豪華絢爛としたカトレヤやコチョウランなどの華奢な洋ランとちがって、日本古来の蘭として広く草原に自生し、小形ながら強健で育てやすく、初夏には紅紫色の花をひらきます。また、生薬として外傷の治療とくに止血、痛み止めに用いられます。また、秋の七草の一つである藤袴を紫蘭と呼ぶこともありますが、これは草全体に佳香があり紫色の花をつけるからで、時には香草とも呼ばれます。

 

 古来、蘭は香りの良い花として多くの人から敬愛され、言葉の上でも「金蘭の契り、芝蘭の交わり」などとして用いられます。「金蘭の契り」は金をも切断するほど堅く、蘭の花の香りのように香しい交わりの意から、信頼し合っている親友同士の極めて親しい交わりの例えであり、「芝蘭の交わり」の方は「霊芝」や「蘭」のような香りのよい草の室に入ると、気付かないうちにその香りが身に染みるということから、徳の高い立派な人と付き合っていると自然とその人のよい影響をうけるという例えになっています。  紫蘭と同じ読みの芝蘭は香りが良く霊妙な働きのある霊芝や香りの良い蘭のことをいい、江戸後期の蘭医・大槻玄沢が江戸本材木町に開き、オランダ医学の一大中心となった芝蘭堂の出自も、当時オランダの国名にあてていた阿蘭蛇の一字と瑞草で薬効のある霊芝や蘭にかけて命名したものと思われます。

 

 このようにみてきますと、紫蘭会の出自については単に香りの良い美しい花という主旨だけでなく、やや小振りの施設であっても仲間を敬い気高い香りのする環境で交わりを深める医療施設にしようとの先代はじめ法人の皆様の意気込みが伝わってくるというものです。

 

 

『川田先生との出会い』

理事長 笠島 學

 

 私が川田先生と初めてお会いしたのは慶大外科卒後2年目の出張病院である平塚市民病院でした。当時の病院は中山御大のもと、平塚大学と言われるほどアカデミックな雰囲気があり、食道癌の術後に徹夜で吸痰したことも今は懐かしい思い出です。心臓血管医長であった川田先生は温厚であり、そのユーモアあふれる言動が医局を和やかなムードにさせてくれました。同郷のよしみで、親しく話す機会が多くありましたが、私には高岡高校の隣の高校から慶応医学部に入ることがどうしても信じられませんでした。一番驚いたのは手術記録を拝見したときの絵の素晴らしさでした。色鉛筆で無造作に描かれた、要点を正確に捉えたリアルな手術記録は未だに忘れられません。また、タクシーに乗る時は、追突された時のことを考えてふんぞり返って乗れとか、高岡高校を意識した発言があったことや、住むのなら鎌倉だよと言われて、いち早く居を構えられたこと、ワインの話をすると止まらないことなど、とても気さくで印象的な先生でした。「紫蘭会」は父の京大同窓会の芝蘭会をもじって付けたとしか考えが及ばない私にとって、先生の博学で新しい発見をしました。心温まるお手紙、有難うございました。

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