『在宅復帰に向けての取り組み』 介護療養型全国大会

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『在宅復帰に向けての取り組み』 介護療養型全国大会

2000.11.01

在宅復帰に向けての取り組み ―在宅療養を行なう上での課題とその対策―

nakasimafutyou
富山県医療法人 光ヶ丘病院
介護保険適応型病床群1N病棟
婦長 中島 房代

1.目的

 当院は、高齢で慢性期の長期入院患者様が多いことから、ケアミックスの病院であり、関連施設として介護老人保健施設、訪問看護ステーション、ホームヘルパーステーション、在宅介護支援センター、通所リハビリテーションを擁しています。
当病棟は、平成10年11月に新築された完全型療養型病床群で、4月より介護保険適応となり60床あります。年々、医療密度が高く、かつ看護、介護に手間を要する患者様が増えてきています。要介護度が4・5と判定された患者様が68%を占め、平均要介護度は3.8となっています(6月30日現在)。
介護保険導入により、多様な在宅サービスを比較的手軽に利用できるようになったこともあり、当病棟においては、要介護度が高い方も含め積極的に退院を勧め、多くの方に在宅復帰していただくことができました。しかしながら、在宅療養を行なう上で多くの課題があり、その対策を含め検討し、今後の介護療養型医療施設の方向性を探ることを目的としました。

 

2.方法(調査内容)

在宅復帰された患者様20名を対象とし

①要介護度の高低

②医療必要度の高低

③介護者の状況

④住環境の整備状況

⑤受けている在宅サービス内容

などにより、どのような問題点があるのかを分析しました

 

3、結果(パネルの説明)

1、退院患者様の要介護度は低い方を予想しましたが意外にも要介護度の4・5の重度の方も多く見られました。

2① 医療必要度の高い方は、14名(70%)の方に見られました。

2② 医療必要度の内訳として併用者の方が6名見られ、複雑多様化していると思われました。

3、介護者の状況は、子の嫁・娘夫婦が15名(75%)見られました。

その内、日中1人の方が7人(35%)見られましたが、痴呆度Ⅱa以上で寝たきり度ランクA・Bは見られませんでした。サービスを利用しても2時間以上1人になることは、痴呆があり多少行動出来ることで返って危険であると家族が難色を示し退院が出来ませんでした。軽い痴呆の方は介護への抵抗や大きな問題行動がなくても誰かが見守っていることが必要であると思われました。また、日中見守りの必要な 要介護度1・2・3・の区分支給内では毎日、日中サービスを組むのは予算的にオーバーし不十分な点も見られました。
 1人暮らしの方で、痴呆度Ⅱa以上寝たきり度ランクA以上の方に、日中だけでなく夜間のサービスを組もうとすると、予算オーバーしてしまい、また四六時中何らかのサービスを組むにはサービスも不足しているため退院が出来ず、今後の問題点と思われました。

4① 住環境の改修の必要者は100%行われました。未改修者の6名は寝たきりであり希望されませんでした。他1人は自力歩行可能のため希望されませんでした。

4② 住宅改修は必要な所はまとめて行われ改修の併用者が100%(13名)でした。補助20万円をオーバーした人は約半分見られました。

5① 訪問型と通所型の混合型を利用されている方が一番多く11名(55%)見られました。寝たきりで担送者の場合、医療処置の多い方は通所介護・通所リハビリの受け入れが無く訪問型サービスしか使えず介護者の負担を増加させていると思われました。

5② サービス内容は医療的行為が多いため24時間体制の訪問看護が一番多く16名(80%)見られました。希望の多いショート・スティも15名(75%)見られましたが日数の制限があり何かの時のためと未使用の方も見られました。個々に合わせ上手くサービスを利用しており11名(55%)の方は満足していますが、9名(45%)の不満の方もあり訪問型サービスしか使えない方や、要介護度1・2・3で目の離せない軽い痴呆の方は予算内に毎日サービスが組めない不満が見られました。ショート・スティはいつでも利用したいと希望も多いが要介護度5以外の方は日数が少なく介護者の負担を増加させ不満が見られました。

6、退院に向けては、2名の方は2回目以上の退院者で各種指導・事前訪問は希望されませんでした。

7① 退院指導内容は医療該当者14名全員に行なわれ、指導内容を5つに分けて行っています。

7② 退院指導内容で不十分と指摘された点として医療器具の取り扱いで57%しめ、いざ在宅で行うことは不安が多く少しでも状態が変化すると応用ができなく訪問看護に相談したりで初回の退院者が殆ど不安感を持っており、在宅指導の継続の必要性を感じました。

8、退院後の連携は福祉との連携が以外にも100%見られ介護保険の中では不可欠であることを感じました。しかし、イン・フォーマルと保健の連携が少なくイン・フォーマルとしてボランティア活動や保健として予防的な面・指導・相談など今後の課題と思われました。

9① 退院後のフォローとして病院として自主的に退院後訪問・担当者連携・退院指導を行っています。その中で痛感したことは退院後の本人の明るい表情とは違い介護者の疲れた表情が大半をしめており介護負担の軽減のアドバイス・相談や精神的サポートの必要性を感じました。

9② 再入院状況は1ケ月以内の1名は要介護5で寝たきりで意思疎通が出来ず胃瘻・吸痰管理が必要な方でした。日中5時間以上1人に成る時間が3日間あり訪問サービスを利用しても2時間以上吸痰出来ない時が3日間あり吸痰管理が不十分で肺炎を併発し入院されました。改めて、医療管理を必要とする方の管理の難しさ・訪問型サービスの難しさを痛感しました。

また、1~3ケ月の方は要介護5で訪問型サービスしか使えず介護者の疲れにより入院されました。


4.考察

介護療養型医療施設の今後の方向性として

①ケアカンファレンス

(患者様及び家族の参加、在宅サービス提供事業者の参加)

②各種指導

(基本的な介護法、食事指導、医療器具の取り扱い、医療処置指導)

③在宅事前訪問(リハビリスタッフの同行)、住環境整備

④試験外泊

⑤ インフォーマルなサービス

⑥保健・医療・福祉の連携

⑦退院後のフォローアップ

などを積極的に行ない、詳細な課題分析・解決を図った上で、よりよい在宅療養を送れるよう支援すべきと思われました。

介護者に対する適切な各種指導・助言の継続性が大切であり、介護量軽減にもまして精神的サポートの重要性が痛感させられました。


5.結論

今後、在宅復帰に向けて、高度な医療的行為・ターミナルケア・介護者のサポートなど複雑多様化していくものと思われますが、介護療養型医療施設での在宅支援の役割は極めて大きいと思います。今後とも、在宅復帰に向けて積極的に取り組んで行きたいと考えています。

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