『高齢者医療制度はどうあるべきか』 医報とやま

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『高齢者医療制度はどうあるべきか』 医報とやま

2001.02.01

『高齢者医療制度はどうあるべきか』
県医理事 笠島 眞

 21世紀が幕開け、希望に満ちた豊かな世紀となるよう期待したいものだが、社会、経済状況がいまだ不安定で将来の展望が開けないことに伴い、保健・医療・福祉を取り巻く環境は依然厳しいといわざるをえない。急激に進む少子高齢社会を迎えるにあたり、年金制度を含めた社会保障制度のあり方が各方面で種々検討されている。これまでの社会保障論議がともすれば高齢者対策に偏り、将来負担を担うはずの子供たちへの視点が欠落しているとの不満があり、負担を後年世代につけ回しすることなく、年々膨れ上がる現役世代の負担を軽くして継続可能な制度とし、なおかつ負担の公平さを確保することが求められている。

 さて、2002年をめどに医療制度の抜本改革が行われようとしているが、その中で最大の柱とされるのが「高齢者医療制度」である。日本医師会など関係団体は独自の制度案を提唱しているが、「高齢者医療制度改革論議は厚生省主導で利害関係排除」とする厚生労働省側は、新設される社会保障審議会においてようやく本格的に改革論議をスタートさせるようである。利害関係ではなく関係団体の理解、協力なくして改革ができるはずもなく、なんといっても国民全体の賛同が必要であり、これではとても2002年までに取りまとめるのは無理なように思える。

 これまで示されている改革4案は、独立型、突き抜け型、年齢リスク構造調整方式、一本化であるが、改革案同士の組み合わせも含めて、どの案が最も少子高齢社会を見据えた、優れた方式なのであろうか。日医案は「2015年医療のグランドデザイン」で示してあるように、①75歳以上のすべての後期高齢者を被保険者とする独立した医療制度②財源として公費を重点的に投入(90%を公費)③独自の診療報酬支払い方式を設定④保険者を都道府県などからなっている。

 先に、平成12年度「医療経済実態調査アンケート」を実施させていただいたが、この中で高齢者医療制度についてみると、圧倒的に日医案が適当とされ、78.5%を占めている。健保連・連合・日経連の主張する突き抜け方式は3.0%と低いが、医療保険制度の一本化を提唱している国保中央会案は9.4%、4案以外が7.2%みられ、必ずしも日医案が全面的に支持されているわけではない。また、公費90%の投入については「公費を減らして保険料・自己負担を高くすべき」が2割近く、「どちらともいえない」が最も多く4割以上みられた。医療保険と介護保険の統合に関しては、日医案の「統合すべき」が最も多いが半数に達せず、「別立てでいくべき」と「どちらともいえない」がそれぞれ2割以上ある。坪井日医会長は高齢者医療制度の日医案をより精緻化することを喫緊の課題に位置づけているが、まだまだ末端の会員には周知徹底、理解を得ているとはいえず、今後大いに論議すべきものと思われる。消費税の福祉目的税化やたばこ増税などが提案されているが、財源の問題解決なくして抜本改革は望むべくもなく、長期的、広範な視点が求められよう。これからの「高齢者医療制度はどうあるべきか」が国民的論議となるよう、厚生労働省を含めた各関係団体は努力を惜しんではならない。

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