『当施設におけるフロアーリハの取り組み』 老人保健東京大会

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『当施設におけるフロアーリハの取り組み』 老人保健東京大会

2001.08.01

『当施設におけるフロアーリハの取り組み』
~在宅復帰につなげていく為に~

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富山県 介護老人保健施設おおぞら
作業療法士 笹島 あゆみ
理学療法士 藪 値英子
理学療法士 倉田 繭子
言語聴覚士 本多 晶子

<はじめに>

 介護保険開始以降より、介護老人保健施設でも、ますます在宅支援の充実化が求められている。しかし、実際には在宅復帰が困難であったり、在宅復帰後、家族の介護困難にて再入所するケースも少なくない。この現状から、まずは、生活に必要な動作を生活場面で獲得することが重要であると考え、訓練室での個別訓練と並行して、実際の生活の場であるフロアー内でのリハを試みたので、経過を報告し、今後のリハ提供体制のあり方を検討する。

<フロアーリハの提供体制>

実施期間)平成12年4月~現在も継続中。

対象)当施設に入所している利用者の内、フロアーリハが必要とされる利用者。
提供方法)

①痴呆症状がある方を対象としたフロアー内での集団リハ訓練。
②食事場面での食事動作の評価、食事訓練,嚥下訓練、他スタッフへの助言・指導。
③生活場面を想定したフロアー内の移動訓練、Bed Side訓練、言語訓練。
④トイレ動作、入浴動作等のADL動作への関わり。



<実施経過>

①について

平成12年4月より開始。主な内容は、RO(リアリティーオリエンテーション)リハビリ体操、各種ゲーム,歌、季節に応じた作品制作等を行っている。特にROを取り入れ、毎回、日付と曜日を確認した。次第に、前もってカレンダーを確認される利用者も出てきた。また、リハビリ体操や各種ゲームを通じて、身体機能維持、活動性の向上、対人交流の促進を図った。生活場面と訓練場面が同一の場所であることで利用者も安心して行えたようだ。また、最初は傾眠がちであった利用者も、覚醒され集中してゲームを行うようになった。他スタッフもサポートしてくれる等の協力が見られるようになった。しかし、集団訓練を重視し、個別での対応が不十分になったことから身体機能の低下を来す利用者が出てきた為、フロアー内で個別の移動訓練や基本動作訓練も行い、改善につとめている。

②について

平成12年5月より開始。週2回、昼食時に食事場面での評価・訓練、他スタッフへの助言・指導を行った。また、施設内研修の中で、食事動作・嚥下についての講義・実技を行った。時間が限られており、余裕を持って対応出来なかったり、利用者の体調の変化、食事形態の変化に対する対応が遅れるなどの欠点も見られた。

③について

平成13年1月より開始。実際の生活場面での訓練を各フロアー内で実施。車椅子駆動や歩行訓練等の移動訓練・Bed Side訓練・言語訓練を中心に行った。一対一で行えた事で、細かい評価・訓練の実施が可能になり、移動能力の維持・向上の見られる利用者も出てきた。また、リハスタッフがフロアー内にいる時間が増えた事で、他スタッフからの相談や要請なども聞かれ、早い対応が行えるようになった。

④について

平成13年1月より開始。③と重なる部分はあるが、更に具体的なADL動作に関わり、訓練場面と生活場面での利用者利用者の能力に差が出ているという現実を目の当たりにした。しかし、リハ訓練として成立しているかといえばまだ疑問が残り、今後の課題となっている。

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<考察>

 今回のフロアーリハを通じて、フロアー内・訓練室の両方において、具体的な評価・目標の設定、リハの実施が可能になり、活動性の向上、身体機能の向上につなげる事が出来た。しかし、フロアーリハは、一部の利用者のみの実施になってしまった事、個別訓練が不十分になった事による身体機能の低下をきたした利用者が出てしまった事、リハスタッフのそれぞれの専門性と「生活リハ」との間で戸惑いを感じ、手探りの状態である等の問題点と課題が残っている。今後、在宅で生活出来るようになる為には、生活場面でのADL能力と身体機能の維持・向上が必要である。その両方を満たす為には、個別訓練と、フロアー内での「生活リハ」の両立が重要であると考える。

 そして、今後、フロアーリハの確立の為に、

1)多くの利用者に実施できるような時間調整。
2)利用者担当制の検討。
3)他スタッフへのリハの積極的な情報の提供。
等の検討・実施を目指し、更なるリハ提供体制を整えていきたい。




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『第12回全国介護老人保健施設東京大会に参加して』
介護老人保健施設 おおぞら リハビリ

笹島 あゆみ



今回、全国老健大会の参加、及びポスターセッションでの発表の機会を頂きました。今年のテーマは「“21世紀”老健施設のアイデンティティの確立を求めて」でした。そして、このテーマでのシンポジウムも聴きましたが、本来の基本理念(①総合的ケアサービス施設。②家庭復帰を目指す施設。③在宅支援施設。④地域に開かれた施設。)に基づく老健の機能を期待している厚生労働省としての意見もありましたが、対照的に基本理念にこだわることなく「生活の場」としての役割や今後の環境整備を期待する声も多く聴かれた事が印象的でした。私自身も老健の役割についてはつくづく考えさせられました。今後の老健がどのような方向に向かっていくかによってリハビリのあり方も変わっていくと予想されます。これからも慎重に今後のリハ提供体制を整えて行きたいと思います。

 また、山口全老健会長を始め、おおくの講師の方が

①リハビリテーションの充実化
②ショートステイの充実化
③ケアの量からケアの質の変換
④痴呆症状のある方のケアのあり方

に注目されていました。介護保険開始後1年が経過し、更に介護保険の中の老人保健施設のあり方が多種多様になるのではないかと思われます。今後も様々な変化に対応できるよう、業務に取り組みたいと思います。



ポスターセッションでの発表について

「当施設におけるフロアーリハの取り組み ~在宅支援につなげていく為に~」というテーマで発表する機会を得ました。ポスターの展示が大会3日目の午後のみで、少し短い時間ではありましたが、短い中でも発表やディスカッションを行えました。いくつか質問も

頂きましたが、具体的には

①フロアーリハを行うに至った経緯が知りたい。
②集団リハの詳しい内容を教えてほしい。

等の質問がありました。また、座長より「これからもフロアーリハを続けてほしい」との意見も頂ました。

このように、生活リハに関する関心の深さを目の当たりにする事が出来ました。当施設としても更に生活の場でのリハを充実していきたいと思います。

最後に、ポスター制作や発表の際には、理事長先生を始め。多くのスタッフの多大な協力を頂きました。改めて感謝申し上げます。そして今回の参加及び発表の機会を頂き、ありがとうございました。

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