2003 8月

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『ポケットのある創傷に閉鎖式持続吸引療法を施行した症例』 第5回日本褥瘡学会学術集会

第5回日本褥瘡学会学術集会
2003年8月29日~30日、大宮ソニックシティ

ポケットのある褥瘡に閉鎖式持続吸引療法を施行した症例

光ヶ丘病院外科 豊田 恒良

【はじめに】褥瘡のポケット発生原因の一つとして、体動によるずれがあげられる。特に体動の激しい患者では、それが難治性の要因ともなっている。今回、体動によるずれが原因となり、仙骨部褥瘡にポケットが発生した症例に閉鎖式持続吸引療法を施行し治癒しえたので報告する。

【症例】92歳男性、脳梗塞後遺症により寝たきり状態(日常生活自立度:C2)。入院時身体状況:低栄養でやせが目立ち骨突出、四肢関節拘縮、浮腫があった。仙骨部には3.5×2.5cmの深い褥瘡があり、辺縁部に9×3.5cmのポケットを認めた(図1)。入院前の他院での処置は、ポケットは切開せず肉芽形成を増進する軟膏が使用されており、来院時の褥瘡には赤い肉芽が認められた。また、創にはポケット部も含め壊死組織はなかった。しかし、この処置ではポケットのサイズに変化はなく、むしろ拡大傾向にあった。その原因は患者の体動にあり、特に体位変換時、左右側臥位に向けることを嫌がり、すぐに仰臥位に戻ろうとして褥瘡にずれが発生していた。そこで、ポケット内の組織を持続吸引による陰圧で癒着さす閉鎖式吸引療法を施行した(図2)。       

【結果】ポケットサイズの変化:処置前9×3.5cm、2週間後5×2.5cm、6週間後2.5×1.5cm、8週間後消失した。処置開始3カ月後にはポケットの再発もなく褥瘡は治癒した(図3)。     

【考察】ポケットを形成した褥瘡の治療は、ポケットを切開するか切開しないかの2通りに分かれる。しかし、いずれの方法でも原因であるずれの対策がなされないかぎり治癒は難しい。閉鎖式持続吸引療法は、このずれに対し有効な対処法と考えられた。しかし、感染があり炎症が存在する場合、ポケット内の壊死組織が除去されていない場合、除圧対策がなされていない場合には適応ではない。そして、ポケットの拡大や褥瘡の炎症が悪化した場合には躊躇せず切開が必要と考えられた。

図1.入院時褥瘡 図2.閉鎖式持続吸引療法 図3.治療開始三ヶ月後治癒した
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