2005 5月

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『パワーリハビリテーションを試みて』 第1回東海北陸ブロック老健大会

パワーリハビリテーションを試みて
〜QOLに変化をもたらした一症例〜

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介護老人保健施設おおぞら
作業療法士 玉井 志保     理学療法士 寺田 光子
理学療法士 前田 育子     理学療法士 薮 値英子 他

【はじめに】

 当施設では、入所者の身体機能の維持・向上及び、在宅復帰支援、介護負担の軽減等を目的として、平成16年8月よりパワーリハビリテーション(以下パワーリハと略す)を導入している。入所者のADL・QOLに変化が見られ、いくつかの成果が得られたので、今回はその一症例について経過を報告する。

【事例紹介】

 88歳、女性、要介護度1、一人暮らし。平成8年に脳梗塞発症するも歩行可能で在宅療養を行なっていた。平成13年8月に自宅にて転倒、第12胸椎・第1腰椎圧迫骨折を受傷、その後入院生活となる。次第に歩行困難となり、平成15年12月リハビリテーション目的で当施設入所となる。歩行が不自由なこと意外はADLはほぼ自立し認知症もない。入所時は居室にて臥床している時間が長く、個別リハビリテーション(以下、個別リハと略す)の最中も息切れや疲労感の訴えがみられた。また、入所より約半年間は移動は歩行器レベルにとどまり、生活の変化もみられなかった。

【実施及び調査内容】

 平成16年8月より3ヶ月間、週に2回、パワーリハを実施した。プログラムの内容は、準備体操・6機種のマシンによるマシントレーニング・整理体操で、約90分間行なった。なお、マシンはスライドにある6機種を使用した。実施環境は、通所リハビリテーションフロアにて通所利用者と合同で行い、マシン間の移動は実施者の移動能力の向上を目標に、スタッフがサポートした。また、パワーリハ実施前後にバランス・握力・柔軟性・歩行の評価を行い、終了後に本人・家族・介護職員にパワーリハの効果についてのアンケート調査を行なった。
トレーニングマシン
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ホリゾンタルレッグプレス レッグエクステンション トーソフレクション
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ローイング チェストプレス ヒップアブダクション

【結果】

 身体機能評価において、数値の面ではバランス・握力では改善がみられなかったが、柔軟性・歩行において、スライドに赤色で示してあるように改善がみられた。生活面では、起居動作・歩行の安定がみられ、手引き介助での杖歩行が近位監視レベルとなった。日常でも促しにより、施設内の移動も杖にて行なっている場面が増えた。また、ベッド周辺や引出し等の身辺の整理整頓もきちんとできるようになった。精神面ではクラブ活動への参加率の向上、他の入所者との会話が増え、表情が明るく、前向きになるなど、QOLの改善がみられた。アンケート調査でも同様に本人・家族・介護職員が共通して、改善したと思われる項目がいくつか得られた。また家族より、外出・外泊時においても、ベットからの立ち上がりや歩行がスムーズに行なえるようになった、負担が軽くなった等の声も聞かれ、在宅への兆しが見えてきた。現在では、本症例の在宅復帰へ向けてケアハウスへの体験入所が実施され、その後も外泊を繰り返している。

【考察】

 本症例は88歳と超高齢であり、入所後個別リハを行なうも、杖歩行に対しての恐怖心や疲労感の訴えが強かったこともあり、移動は歩行器レベルにとどまっていた。しかし、パワーリハを実施し、マシントレーニングに加え、マシン間の移動や日常生活、個別リハに杖歩行を取り入れることで徐々に歩行の安定が得られ、杖歩行に対して自信がついていったものと考えられる。また、通所フロアーにて、通所者・入所者が合同で実施することにより、生活環境が変化し、活動範囲が広くなるとともに、他者との交流範囲も広がり、お互いに共感し励ましあうことで、自信がつき、前向きな姿勢になったものと考えられる。

【まとめ】

 変化がないと思われた症例でもパワーリハの実施により、モチベーションの向上や、ADL及びQOLの改善を得ることができた。今後もパワーリハを通じて、ADL・QOLの向上を図り、在宅復帰へとつないでいきたい。
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