桜や緑が映え輝き、雪国の北陸人にとって、一番季節感のあるこの頃です。一年前から始まった病院工事も、新棟竣工は既に終え、リネン室移転・一般浴槽改修を残すだけとなり、今月中には全て完成の予定です。
6年前に始めた日帰り人間ドック(サンシャイン・メドック)は着実に根をおろしてきました。「ヘルスケア複合体」を形成する中小民間病院でドック部門が充実している所はあまりありません。メドックでは超音波指導医による甲状腺を含めたエコー(10例の甲状腺癌発見)や直腸鏡検査や管理栄養士による栄養指導に特長があり、発見された胃癌や直腸癌はほぼ全例が早期癌でした。シェアを伸ばす努力を続けるとともに、懸案である「政府管掌健保の指定」を県に強く要望していきたいと思っています。
新年度に入り、病棟婦長とおおぞら婦長が全て交代し、若返ります。新婦長を職員みんなで盛り立ててあげて欲しいし、婦長は自覚を持ってリーダーシップを発揮されることを期待しています。また、リハビリスタッフがふえたので、病棟担当制とし、従来リハビリ室だけで行っていた訓練を病棟を中心に生活に密着したリハビリを行うことにします。リハビリスタッフが少ないため、対象患者様はかなり絞られますが、患者様にとって臨機応変で木目細かいリハビリができるようになります。申し送りやカンファレンスを病棟で一緒にすることにより、ナースやケアワーカーのリハビリに対する理解が深まり、ケアの質の向上につながると期待しています。
老健おおぞらでは、難関の社会福祉士試験に4名が全員合格し、一挙に5名となりました。介護福祉士も2名誕生しました。職員が自主的におむつを実際に体験したことは今後のケアに深みと自信が生まれることでしょう。私も4月より県老健協の副会長になりましたが、介護保険の導入を前に、老健はどうあるべきかを真摯に考えてみたいと思っています。
病院デイケアにOTを配置し、20人以上の人数にも対応できるように2単位に増やす予定です。
10月より高岡市のホームヘルパーの委託エリアが解禁となるので、「訪問看護ステーションほのぼの」にホームヘルパーステーションを開設し、「在宅総合ケアセンター」とします。
また、介護教室を通して地域の皆さんに介護の理解を高めるよう努めてきましたが、それらを発展させて、ホームヘルパー養成機関を作る構想があります。
介護付き高齢者住宅については、様々なやり方がありますが、病院のレベルアップにも影響を及ぼす問題なので、早いうちに結論を出したいと思っています。 紫蘭会は医療・保健・福祉の広い範囲で様々な機能を持っていますが、職員みんなで、患者様の心がわかる、質の高い医療・ケアをめざして、常に精一杯の努力を惜しんではなりません。
紫蘭会 理事長 笠島 學