数年前から始めた8月の病院夏祭りは、去年は夕立、今年は猛暑でしたが、屋内で行なう為、天候に関係なく多くの方に楽しんでもらい、地元の夏の風物詩として定着したようです。これからも地元の協力を仰ぎながら、地元と共に歩んでいきたいものです。
猛暑が続いていますが、この号が出る9月には暑さも和らぎ、食欲の秋が到来します。今年は戦後70年の節目で、先の大戦の話が多く取り上げられています。過去を反省し、2度と戦争はしないと誓いながら、少子高齢社会にどう対処していくかという困難な時局に知恵を絞らなくてはなりません。
政府は赤字大国を強調し、大幅な医療費抑制に懸命で、「施設から在宅へ」
を合言葉に介護病棟全廃や病床削減を進めています。地域包括ケアシステムは、いい面も勿論ありますが、ますます脆弱化する在宅基盤の対策が不十分なまま病院削減と言われても途方に暮れるだけです。多死社会を迎え、施設に入れず、介護放棄・虐待が増えることを危惧しています。病院をつぶして新しい個室特養やサ高住を造るより、多床室があるナーシングホームに転換するなどの既存施設を活用する政策を切に望みます。
どんな状態になろうとも生き残っていけるのは、安全で質の高い医療・ケアを提供し、住民に信頼される病院であると確信しています。医療人は一層精進し、常に質の高い医療ケアを目指さなければなりません。当院の認定看護師は感染管理と認知症に緩和ケアと看護管理が加わり、4人になりました。9月初旬に行われる老健大会・全日本病院学会・慢性期医療学会で複数題の演題発表をしてきます。
当院の13対1看護病棟は、急性期基幹病院からの重症者受入れや、在宅・介護施設から緊急対応も含めて受け入れており、重症度と平均在院日数をクリアしています。医療療養病棟と老健おおぞらは在宅復帰の加算を取得し、リハビリを重視して在宅復帰を勧めています。介護病棟では重症者の割合、医療処置の実施、ターミナルケアの実施のすべての条件をクリアしています。県唯一の特殊疾患病棟は常に満床ですが、今後は神経難病を積極的に受け入れていくつもりです。
病院では11月から電子カルテを導入するべく着々と準備を進めています。導入は遅れましたが、既存ノウハウを使えるメリットもあります。介護病棟などの介護保険部門も電子カルテで行なう先駆的な法人と注目されるかもしれません。WI-FI回線がない往診先などでも電子カルテを駆使している自分を夢想しています。
高岡市で最初の認知症初期集中支援チームが、研修が終了次第、今年度に当院に委託されます。林師長・認知症認定看護師がリーダーです。市内の認知症対応困難事例が殺到するかもしれませんが、権利擁護や個人情報をしっかり守り、高い倫理観を持って大いに活動してほしいと願っています。
紫蘭会理事長 笠島 學