3月に発生した東日本大震災から3ヶ月が経過しましたが、日本中に暗い影を落としています。当院から派遣が決っていた災害医療チームが中止になったのは残念ですが、私どもとしては募金や医療介護ボランティア派遣、被災者や被災職員の受入れなど可能な限り協力を惜しみません。
さて、4月から3ヶ月間、日本慢性期医療協会認定病院を目指して2つの病棟で実績を集積している最中です。質の高い慢性期医療を提供するのは当然の使命であり、士気も高く、着々とデータを集積していますが、認定希望病院が多いので、認定審査日程が大幅に遅れる恐れがあります。私は4月に永生病院に審査員の1人として10年ぶりに訪問しましたが、安藤理事長率いる憧れの永生病院の底力を肌で感じました。
日本慢性期医療協会から新しい医療区分の提案があり、当院医療療養病棟で試行してみたところ、従来よりもむしろ高い点数となりました。恐らく、重度の認知症の方や重症患者を多く受け入れているのが高点数になった一因でしょうが、医療も介護も重症である患者を治して帰すことが必要だという協会の「想い」を肝に銘じて、活動していきたいものです。県から指定されている医療系ショートステイ枠を更に増やし、増員した訪問看護を充実させ、在宅や施設で療養している方の急変時の受け入れを積極的に対応したり、重症患者でも在宅生活ができるよう自動吸痰装置を購入・活用するなど、地域の在宅療養との架け橋になるよう精進していくつもりです。
患者ニーズに応じて、5月から介護病棟を減らし、医療療養病棟を実質4床増やしました。3次元画像も得られる16列CTの導入と同時にレントゲンのフイルムレス化を実現する予定です。また、多数の医療機関からご紹介のある訪問リハビリに6月からSTを参入させて、多様な在宅ニーズに対応していきます。
この号が発行されているであろう7月2日には創立30周年を記念して、午後から創立記念介護教室として認知症認定看護師の林主任と私が講演し、夕刻からは今までお世話になった医師・師長さん方を交えて、内輪の記念パーテイを開きますが、和やかな中に身を引き締めて、地域医療福祉に貢献する新たな出発点にしたいと思っています。
紫蘭会理事長 笠島 學